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子供の成長に寄与する小学校の先生たち

2021.08.23文部科学教育通信掲載

日本では、新学習指導要領、GIGAスクール構想がスタートし、世界では、学びの羅針盤2030が発表され、時代が求める教育の姿が、より明確になっていう実感があります。

一方で、学校現場の現実については、メディアの偏った報道を通して理解することが多く、教育現場のリアルを正しく理解できていないのではないかと感じています。

 

現実は?

どんな改革においても、それを成功させるためには、ありたい姿と、現実の2つを正しく理解することが欠かせません。改革を望む人々は、ともすると、ありたい姿にばかり目を奪われがちです。しかし、ありたい姿を実現するために最も大切なことは、現実の中でも最も厳しい現実を直視することであると、ビジョナリー・カンパニーの著者ジェームス・C・コリンズは述べています。

そこで、教育現場の現実を理解するために、先生へのヒヤリングを始めることにしました。今回の記事は、首都圏の公立小学校の先生に伺ったお話を中心に、書かせていただきます。

 

仮説

10年前に、教員養成に従事していた際に、「授業の準備のための時間が取れない。子どもたちと向き合うための時間がない」という声をよく耳にしました。この環境は、今もそれほど変わっていないのではないかという仮説を持ち、お話を伺いました。

 

市場ディマンドの原理

親が期待する「我が子」へのサービス → 先生の仕事が増える

先生が多忙になる理由の一つに、親の存在があります。最近の風潮として、学校に対する要求が、市場ディマンドと同じようになってきているという先生は多いです。特に、インターネット社会になり、大量生産大量消費の時代が終わり、個別最適化されたサービスに慣れ親しんでいる親世代が、学校にも同様の要求を求めるようです。

例えば、学校に電話をかけ、「家の子を、○○ちゃんの近くに座らせないでください」と要望を伝える親もいるそうです。子どもが嫌いなお友達とは距離を置けるように、親が先生にお願いをすることで、子どもは、快適な環境を手に入れることができるのかもしれません。しかし、本当は、社会人になるまでに、少し苦手だと思う人とも交流する練習をしておいた方が、幸せになれるのではないかと思います。それでも、先生は、保護者の期待に答えることを求められています。

放課後は、職員室で、先生たちが電話を奪い合うという話にも驚きました。学校で起きた出来事を親に報告するために、先生たちが電話を使用するのだそうです。ちゃんと報告をしておかないと、逆に、親から電話がかかり、「うちの子のかすり傷のことを、先生は知っていましたか」と追求されたりするのだそうです。

20年前に、息子が小学生だった頃にはなかった様子です。親が携帯を持つようになったことも、蜜な情報共有を求める背景にあるのかもしれません。

学校に対する苦情を、教育委員会に連絡する親もいるそうです。教育委員会は、電話を受けた以上、責任を持って対応する必要があります。このため、親の苦情は、教育委員会から学校に降りてきます。そのような苦情については、真実は何か、何が本当の課題だったのかを確かめるということにはならず、手続き的な対応が迫られます。その内容がどうであれ、苦情に関係している先生は、その対応に時間を割かなければなりません。

 

子どものストレス

子どものストレス → 先生の仕事が増える

首都圏に暮らす子どもたちは、ストレスを抱えています。塾やおけいで、お友達と遊べなかったり、昼も夜も、勉強しなければならない等 子どもたちも多忙です。先生は、子どもが、塾に通い始めると、すぐに解るそうです。疲れていたり、何か、いつもと様子が違うそうです。学力だけでは充分ではない時代、英語やプログラミング等、子どもへの期待は増大し続けています。子どもにとっても、親の期待に答えるのは、容易なことではありません。子どものストレスは、子どもの問題行動に繋がることもあります。

 

厳しい指導

厳しい指導ができない → 子どもの問題行動の指導が難しい

企業でもハラスメントが問題となる中で、部下との接し方に悩む上司がいますが、学校でも、体罰禁止が厳しく徹底されるようになり、厳しい指導も、やり難くなったといいます。厳しい指導に対して、「先生、教育委員会に言いますよ」と、冗談なのか本気なのかわからないような発言をする子どももいるようです。その結果、子どもの問題行動の指導も、難しくなりました。

 

調査・報告・アンケート

調査・報告・アンケート → 先生の仕事が増える

健康診断も、各種の調査報告も、子どもたちに関するものは、すべて先生が取りまとめているのが現状です。健康診断等 同じテーマでも、国と自治体でフォーマットが異なるため、同じような質問に、複数回入力が必要な調査もあるようです。子どもたちも、類似した目的の複数のアンケートに、何度も答えなければなりません。データ駆動社会を実現するのであれば、まず、教室で行われている調査・報告・アンケートの一本化から始めるとよいのではないかと思います。

 

教育改革による多忙化

教育改革 → 準備から実施まですべて先生が担う

GIGAスクール構想で、一人1台のパソコンが支給さえると、パソコンに番号を振り、パソコン管理棚に設置するのも、先生の仕事です。それが、どれほど子どもたちにとって良い取り組みでも、なんでも先生任せという考えは違うのではないかと思います。新しい取り組みを導入するにあたっては、学校現場の工程表を作成し、工数を計算し、必要なボランティアを募る等の配慮が必要なのではないかと思います。

 

休憩のない1日

学校には、先生の休憩時間はない

先生には、休憩がありません。給食指導があるため、昼食時に、先生が休憩を取ることが出来ない日本の学校では、午後に別途45分間の休憩時間が用意されているようです。しかし、多忙な一日を過ごす先生方は、いつのまにか、この45分間も仕事をするのが当たり前になっています。オランダに教育視察に訪れた際に、先生たちには、休憩室があり、お昼時間には、先生がお昼休みを取ることができるように、保護者が子どもたちを当番で見ていました。

 

先生にとって一番大事な仕事

目指すべきは、子どもたちに向き合う時間の最大化

先生が、その使命を果たすために最も大切なことは、子どもたちと信頼関係を構築することです。子どもたちとの信頼関係が土台にあることで、学習指導も生活指導も、効果的に行うことができます。当然ですが、先生が、子どもたちとの信頼関係を構築するためには、一定の時間を要します。また、信頼関係を構築するために必要な時間は、子どもたちの状況によって異なります。過去に、先生との信頼関係を気づけなかった子どもは、新しい担任の先生に対しても、すぐに心を開くことはなく、信頼関係を構築するのに時間を要します。先生にとって、いちばん大事な仕事の一つが、子どもたちと向き合うことであるにも関わらず、その時間を充分取ることができないというのは、先生にとってストレスの原因となっているのではないかと思います。

子どもたちとの信頼関係を構築し、日々、子どもたちに必要な学習指導、生活指導を行い、子どもたちの成長に寄与している実感を持てることができれば、間違いなく、先生は、やりがいのある素敵な職業だと思います。そのために、親、企業、社会、行政が協働する社会を実現したいです!

非認知能力学習

文部科学教育通信 2018.03.12掲載

子どもたちの非認知能力学習のための教育研究と実践を行なうCASELの開発した否認知能力に関するコンピテンシーがとてもすばらしいです。

 

CASELについて

CASELは、シカゴに拠点を置く非営利団体で、学校における質の高い社会情緒的発達のための教育を支援するために研究を行っています。20年以上前にこの分野を定義し活動を開始し、現在では、教育者、研究者、政策立案者、地域社会のリーダー、家族、学生と密接に協力して、教育の普及活動を行っています。

 

コアSELコンピテンシー

CASELが開発したコアSELコンピテンシーは、非認知能力を5つに分類しています。非認知能力学習(SEL)は、スキル、態度、行動を統合して効果的かつ倫理的に日々の課題に対処する能力を高めます。多くの同様の枠組みのように、統合された枠組みは、自己認識、対人関係、および認知能力の発達を助けます。多くの教育者や研究者が、コンピテンシーを評価する方法についても、研究に取り組んでいます。

 

自己認識

自分自身の感情、思考、価値観、そしてそれらが行動にどのように影響するかを正確に認識する能力。信頼感、楽観主義、「成長の考え方」を基盤として、自分の強みと限界を正確に評価する能力。

  • 感情の特定
  • 正確な自己認識
  • 強みの特定
  • 自信
  • 自己効力

自己管理

効果的にストレスを管理し、感情をコントロールし、自分の動機づけ行う。状況に合わせて、自分の感情、考え、行動を管理する能力。個人的、学問的目標を設定し、それを達成する能力。

  • 感情のコントロール
  • ストレスマネジメント
  • 自己規律
  • セルフモチベーション
  • 目標の設定
  • 組織力

社会意識

多様な背景や文化を持つ人々を含む、他人と視点を共有し、共感する能力。行動の社会的および倫理的規範を理解し、家族、学校、コミュニティのリソースとサポートを認識する能力。

  • 大局観
  • 共感
  • 多様性の尊重
  • 他人の尊重

対人関係スキル

多様な個人やグループとの健全で有益な関係を確立し維持する能力。明確にコミュニケーションを取ったり、よく聞いたり、他の人と協力したり、不適切な社会的圧力に抵抗したり、建設的に紛争を交渉したり、必要に応じて助けを求めたり提供する能力。

  • コミュニケーション
  • 社会参画
  • 関係構築
  • チームワーク

責任ある意思決定

倫理基準、安全上の懸念、社会規範に基づいて個人の行動や社会的相互作用について建設的な選択をする能力。さまざまな行動の結果の現実的な評価、自分自身や他者の福利を考慮する能力。

  • 問題の特定
  • 状況の分析
  • 問題を解決する
  • 評価する
  • 反射
  • 倫理的責任

SELコンピテンシーは非認知能力を高める上で、とても有効なフレームワークです。複雑な社会に生きる子どもたちが、自分や周囲、社会に善い貢献をすることができる人に成長するために必要な教育を行なう上で、大切な指針になります。

 

ピースフルスクールと非認知能力

現在、幣財団では、オランダのシチズンシップ教育を普及する活動を行っています。自立と共生を教育の狙いとし、幼児から始めるシチズンシップ教育です。この教育では、幼児期から感情リテラシーを育みます。自分の気持ちを認知し、言語化し、コントロールすることを、幼児に求めます。最初は、なぜ感情リテラシーをそこまで高めなければならないのかが正直よく理解できなかったのですが、今では、その理由が明確に理解できるようになりました。私たち大人もそうですが、頭ではわかっているのに、行動が伴わない時は、感情が自分を支配してしまい、自分自身で自分をコントロールできていない状態になります。冷静になればできることが、感情的になるとできないという経験は、皆さんにもあると思います。どんな時でも、理性的な判断ができる力を身に付けるために、自分の感情をコントロールする力を幼児期から磨くシチズンシップ教育を通して、私自身も成長を遂げています。

Core SEL Competencies

思考と感情の関係

感情が、私たちの判断において重要な役割を担うことが、今日では、脳科学の世界でも証明されています。私たちは、生活をする上で様々な決定を下しますが、その際に指針となるのが過去の経験です。私たちは、自分のとった行動の結果を、その時に味わった感情から「知恵」と「愚行」に区分して知識として脳の中に蓄え、次に決定を下す際の指針にしています。また、行動の結果を予測した時に起きる感情も決定を下す際の指針となります。感情に関わる脳の前頭前皮質に損傷を受けた人が合理的に判断できなくなるのは、思考を支配する感情という指針を失うことによります。人は、感情の機能を失うと、過去の経験から学ぶことができないだけではなく、新しい経験から学んでいくこともできなくなり、間違った意思決定を行なってしまいます。論理的思考から感情が切り離されてしまうと、思考したり、決定したり、学習したりする能力が欠落してしまいます。感情は、我々の判断の質にも大きく関わっています。

 

感情停止の課題

日本では、我慢をすることが奨励されます。我慢は美徳ではありますが、注意しなければならないことは、感情の発達を妨げている可能性です。自分の心を認知して、その上で、やるべきことだと自分の中で納得して状況を受け入れるのであればよいのですが、オートパイロットでいやなことを受け入れていると、感情停止状態に陥ってしまいます。この状態を継続していると、やがて、自分の気持ちが解らない状態になります。これは、深刻な学校教育の課題です。小学校から、自分の気持ちや意思を横に置き、学校の仕組みにあわせて生きる訓練をしていると、自分の意思を持たないほうが楽です。しかし、やがて社会人になる頃になると、「あなたは何をしたいの?」と突然、自分の意思をもっていないことを批判されてしまいます。単線から複線に生き方が変わる時代には、学力のみに焦点を当てるのではなく、非認知能力を高める教育にシフトしていく必要があります。

ディズニー映画 インサイドヘッドのストーリーにもありますが、人間は、悲しみの感情を封印すると、喜びの感情も同じように感じられなくなるそうです。企業で心の病になる人たちの多くは、悲しみや苦悩の感情を封印し、その結果、喜びの感情も持てなくなってしまっているのでしょう。我々の日々の生活は、我慢しなくてはいけないことばかりです。しかし、その際にも、自分の心の声が聞けて、心を認知した上で、コントロールするという心の扱い方を知っていることがポイントです。ピースフルスクールのプログラムを通して、私自身も、この心の習慣を身に付けることができるようになりました。そこで、21世紀学び研究所を立ち上げ、この心の習慣を大人でも簡単に習得できるプログラムを開発し、メタ認知力を高める活動を始めています。

 

 

問題解決力と個性の尊重

文部科学教育通信No.407 2017.3.27  掲載

小さい子どもたちの問題解決

オランダのピースフルスクールでは、子どもたちは幼稚園の頃から問題解決に参画する。友達とブランコを取り合うような場面では、順番に遊ぶという問題解決の方法を実践する。ある小学校では、ビー玉遊びで勝った子と負けた子の争いが絶えず、問題解決の方法から、みんなで話し合い決めることにした。それまで、勝った子が負けた子のビー玉をもらえるルールだったが、これが争いの根源であることがわかりルールを変更した。ビー玉遊びを仲良く行うための問題解決だ。こうして、子どもたちは、自然に、現状を振り返り、問題の原因を特定し、問題の解決策を考え実行する。生活の一部として、リフレクションを通して学び成長する。

 

社会起業家の父ビルドレイトンが日本の大学生や高校生に伝えたこと

ビルドレイトンは、社会起業家という言葉の生みの親で、世界82カ国で活躍する3200人の社会起業家をネットワークするアショカという非営利団体の創立者だ。彼が、2010年に来日し、早稲田大学で講演をした際に、「おかしいな?」と思ったら、行動する許可を自分に与えなさいと、日本の高校生や大学生に伝えた。3000人以上の社会起業家との交流を通して明らかになったのは、だれもが10代で、なにかしら自分で取り組める問題解決のために行動していたことだそうだ。そこで、日本の若者にも、大人になるのを待たずに、身近な問題でよいから問題解決のために行動して欲しいと願いを伝えてくれた。

 

プレゼンテーションではなくアクションを

日本でも、社会起業家や起業家を育てる取り組みが盛んになる中で、少し気になるのは、プレゼンテーションが優先してしまいがちなことだ。アイディアをパワーポイントにまとめて、素晴らしいプレゼンを行い表彰されるという教育手法に疑問を感じる。多くの場合、プレゼンテーションの先のアクションが軽視されてしまう。問題解決は、アイディアの勝負ではなく、インパクトの勝負だし、多くの場合、実際にアイディアを実践しても、期待通りに物事が進まないのが通説だ。むしろ、行動してみること、失敗してみること、失敗を振り返り、もう一度やり直してみることこそが、本当の学びだと思う。大人の手を借りずに、自らの頭と心と体を使って、仲間とともに助け合い問題解決に臨む経験を持つことが素晴らしいのだと思う。

 

自分の大切なこと

教育NPOのティーチフォージャパンの立ち上げに参画して以来、7年間、日本のNPOの発展の様子を見てきた。たくさんの社会起業家の若者に接する中で、人生と問題解決の関係について気づいたことがある。世の中には、たくさんの問題がある。震災復興、環境、教育、人権、政治等々、問題は多岐にわたり存在する。そんな中、ある人は教育の問題解決に夢中になり、別な人は、環境問題の解決に人生を捧げる。教育の問題解決においても、テーマは多岐にわたり、ICT教育、クリエイティビティ、教育格差、食育等幅広く存在する。社会起業家は、自分の大切にしていることを軸にテーマを決める。例えば、ティーチフォージャパンの創立者は、自分の人生を変えた恩師との出会いから、教師を目指し教師になった後、NPOを立ち上げた。自分のお世話になった恩師のように、生徒に向き合う先生を増やしたいという思いからだ。私も、理事として、プロボノとして、この団体の活動に多くの時間を捧げたが、その理由は彼とは異なる。この活動を通して、困難な子どもたちの現状を始めて知った私は、大人に対する怒りを持った。これだけ義務教育が整備されているこの国で、13.8%の子どもたちが、読み書きそろばんができないまま成人になっていくという現実をしったからだ。13.8%というのは、国際学力到達度調査(PISA)で、レベル1以下の成績をとる子どもたちの比率だ。レベル1以下の子どもたちは、将来、契約書も読めず、他者にだまされるリスクを抱えながら生きることになる。PISAのテストでは、上位にランクインする日本の教育は質が高いと信じていた私は、この13.8%の現実を知り驚いたし、それを放置している大人たち(自分も含めて)に、怒りがこみ上げてきた。私の大切にしていることは、人の持つ潜在的な可能性を信じること、明日は今日より良くなるために学び続けることだ。だから、怒りを覚えたのだろう。私たちのNPOで活動する人たちには、創立者や私とも違うたくさんの「自分の大切なこと」が存在する。問題解決に参画するためには、自分の大切にしていることを知ることと、その軸を通して放置できないと感じる問題をテーマに選択することが大切なのだろう。

 

教育の真の目的

教育の真の目的は、自らの人生の目的を見つけ、その目的を通して、社会に貢献するために学び続ける人を育てることだと思う。世の中にある様々な問題の中から、自分の大切なことに繋がるテーマを選び、問題を解決するために学び続けることができる人生は幸せだ。それが、ビジネスであっても、NPOであっても、アートでもスポーツでも、どんなテーマでも、自分の人生の目的と結び付けられると素晴らしい。そのために、教育は、何かを押し付けるよりも、色々なものを試し、自分にあったものを選択できる機会を与ることが大切ではないかと思う。

 

マルチプルインテリジェンス

世界では、1980年代に、インテリジェンスは8つあるという定義が発表され、今日の教育学において常識になっている。IQは、8つのインテリジェンスの中の2つに該当し、論理的数学的インテリジェンスと言語的インテリジェンスが対象となる。それ以外にも、私たちが一般的に得意領域として認識してきたスポーツやアートは、身体的なインテリジェンスと空間的なインテリジェンスと定義されている。このほかにも、音楽、自然、対人関係、内省がインテリジェンスと定義されている。インテリジェンスは、得意か不得意かという話だけに留まらず、学び方の特性でもある。身体インテリジェンスを持つ人は、身体を動かしたり、身体を通して学ぶ方が興味関心が高まり、対人関係インテリジェンスの高い人は、人とのコミュニケーションを通して学ぶ方が効果的に学べるという。これまでの学校教育は、IQのみに主軸を置き、言語と論理的数学的インテリジェンスの高い子どもたちにとって快適な学び方で設計されてきた。この他のインテリジェンスを持っている子どもたちにとっては、最適な学びの環境ではないという事実にも目を向けて欲しい。その上で、8つの領域は、自らの人生の目的を見つける際にも役立つことも大切にしたい。学校には多様性が溢れている。その多様性に優劣をつけるのではなく、自分の得意、不得意を知ることや、他者との違いを知る機会を10代に持たせてあげることが大切だと思う。人は、一人ひとり興味関心が違うからこそ、世の中はうまく行く。そんな当たり前のことを、もっと10代で受け入れることができれば、多様な才能、多様な個性が、相互に連携し、一緒に善い世の中を作って行ける社会も実現するのではないだろうか。

 

若者の挑戦を応援しよう

2002年にスタートした地球市民教育は、今日の世界の様子を予測していた。若者の多くは、民主的な社会を願い、高い共感力を持ち格差や困難に直面する人々を助けたいと思う。一人勝ちが幸福をもたらさないことを知り、誰もが幸福に生きる社会を実現したいと願う。その願いをあきらめないで問題解決に挑戦する若者を応援していきたい。

KAE(株式会社山城経営研究所)発行 2013 summer「コトノバ」リーダーズ・レビューに21世紀を生きる力「システム思考」が掲載されました

KAE(株式会社山城経営研究所)発行 2013 summer「コトノバ」リーダーズ・レビューに
21世紀を生きる力「システム思考」が掲載されました。

子どもたちのシステム思考/動画「System Thinking in school」

PRESIDENT(プレジデント)2014年2.17号に記事を掲載していただきました

PRESIDENT(プレジデント)2014年2.17号の「あなたの未来を変える! 先手必勝、5つのスキル」にて、井上和幸様、小杉俊哉様と一緒に6ページにわたって活躍できる人の条件を解説しています。President 2014.2.17号.jpg

成功からも失敗からも糧を得る“リフレクション力”では、わかりやすいプロジェクト(国会事故調編)を例に挙げて、リフレクションの重要さと3つのレベルについてふれています。

チームをつくってメンバーを生かす“プラットホーム力”では、Teach For JapanやLearning for Allの研修でも伝えているパーソナル・マスタリーの探求に基づくチームビルディングについて言及しています。

自分の世界観だけで考えない“上司操作力”では、会社やチームのビジョンに照らした他者とのコミュニケーションのあり方についてふれています。

ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

 

デジタル版:

http://www.fujisan.co.jp/product/5774/?gclid=COWg2NKyorwCFYZapQodfzgAow

 

いじめサミット

文部科学教育通信 No.325 2013-10-14に掲載されたグローバル社会の教育の役割とあり方を探る(35)をご紹介します。

生徒会活動をする中学生が意見交換する「全国生徒会サミット2013~いじめ撲滅宣言」が9月24日、オリンピック記念青少年総合センターで開かれました。全国から43中学校の生徒45人が参加し、8グループに分かれて、いじめの事例やいじめの防止策について話し合いました。作成したアクションプランを翌日、下村文部科学大臣の前で発表し、いじめ撲滅宣言を行いました。

 

●いじめに関するアンケート

サミットの開会に先立ち、参加者はNHKのハーバード白熱教室、マイケル・サンデル教授の「15歳の君たちと学校のことを考える」というTV番組のDVDを見て、次の質問に答えました。

1)DVDを見て共感したことは何ですか?

2)DVDを見て違和感を感じたことは何ですか?

3)いじめはなぜ起こると思いますか?撲滅することはできると思いますか?

4)自分はいじめる方ですか?いじめられる方ですか?傍観者ですか?また、なぜそう思うのですか?

生徒のアンケートを分析してまとめたところ、以下のようないじめの原因、継続する理由が明らかになりました。

<いじめの原因>

  • 多様性を認めない文化(外見、行動など自分たちと違うところがある人や自分より劣っている人を認めない)
  • 嫌われることや孤独になることへの恐怖感(自分がいじめられたくないからいじめる)
  • 先輩・後輩などの上下関係
  • ストレスの発散の場(受験のストレス、恋愛問題、学力・運動能力の差、自分に対する自身の欠如、認められないことに慣れていない)
  • 共感力の欠如(相手の気持ちを知らないし、知ろうともしない)
  • コミュニケーション力の欠如(言葉にしないで、自分の中で納めておけばよいことを言葉にしてしまう)
  • いじめの陰湿化(通常は普通に接しているのに、陰でこそこそいじめる ⇒ 陰湿化しているので周りが気づきにくい)
  • インターネット上のいじめ(ネット上でのいじめは周りから見えにくい)

<いじめが継続する理由>

1.相談できない

  • いじめられていると認めるのは負けを認めること
  • いじめられていると認めるのは恥ずかしいこと
  • 学校、先生は信用できない
  • 相談しても解決したことがない
  • 親を心配させたり、がっかりさせたくない

2.傍観者の存在

  • 告げ口をして、次のターゲットになることへの恐れ
  • 面倒な事に巻き込まれたくない
  • いじめている友人との関係性を壊したくないから注意できない
  • いじめに気づけない結果、傍観者になっている


●問題解決的アプローチ

生徒たちに、いじめ問題に対して問題解決的なアプローチで、取り組んで欲しいと願い、オランダとアメリカの子どもたちの問題解決事例を紹介しました。

 

<オランダのピースフルスクール>

日本のいじめ問題の状況は、1990年代初頭、いじめが大きな社会問題となったオランダの状況と似ています。大人の介入が逆効果だったことから、生徒全員に当事者として問題の解決に関わってもらい、学校全体の文化を民主的なものに改善していくためのプログラムが開発されました。このプログラムでは、いじめの構造を以下のように説明しています。

 

・いじめの構造いじめの構造

お互いが、からかいを楽しいと感じている間は、いじめではありません。しかし、からかわれている側が不快だと感じた時点で、遊びではなくなり、いじめの構造が生まれます(図)。いじめには、いじめている生徒に加わっていじめを拡大する‘加担者’といじめを見て見ぬふりをする‘傍観者’という存在があります。傍観者は、いじめに加担はしませんが、いじめを解決する手助けもしません。いじめがある環境が嫌だと感じつつも、いじめられている側を助けて、巻き込まれないように、傍観者となっているのです。そのため、それほど悪いことをしているという感覚がなく、集団圧力となっていじめを支えています。

 

・生徒による仲裁

このプログラムでは、喧嘩や問題が起きると、学校内の仲裁役のところに行き、大人の力を借りずに自分たちで問題を解決するという仕組みがあります。仲裁役を希望する生徒が自ら立候補し、クラスの承認を受けた後に、数回の研修を受けて、仲裁役としてスタートします。今回はサミットの参加者に、生徒自らが仲裁を行ない、問題を解決している動画を見てもらいました。

 

<システム思考による問題解決>

米国アリゾナ州のツーソンでは、3人の小学1年生がシステム思考を使って、校庭での喧嘩を分析していました。喧嘩は、相手に対するちょっとした悪口から始まりました。発した言葉が相手を傷つけ、傷ついた相手がさらにひどい言葉を返してきて、お互いの関係がどんどん悪化していったのです。子どもたちは、この関係性をシステム思考の自己強化型ループであると理解し、ループを断ち切る方法を考えました。たとえ、相手にひどいことを言われても、ひどい言葉で返さない(良い言葉で返す)ということで、悪循環のループを断ち切ることができることを、子どもたち自身が発見しました。

 

●現代のいじめのあいまいさ

いじめの実態を正しく理解した上でアクションプランを考えようということで、生徒たちはグループに分かれていじめの事例を洗い出しました。そこで、明らかになったのは、現代のいじめのあいまいさです。椅子に画びょうを置くとか、下駄箱の靴を隠すというような明らかないじめであれば、本人も周りもそれと気付き、誰かに相談することができます。でも、実際には、最初はいじめかどうかも気が付かないグレーゾーンのいじめが多いのが現実です。単なる不快な出来事が、いじめのような状況にまで発展してしまうのは、言いたいことを相手に面と向かって伝えることができないコミュニケーション力の不足が背景にあります。

 

 

●いじめ問題解決のためのアクションプラン

最後に、生徒たちが下村大臣に提出したアクションプランをご紹介させていただきます。

・いじめ討論会などイベント化して定期的な話し合いの場を持つ(全校で考え、解決、防止する)

・いじめ問題を解決する仲裁者育成プロジェクトを始める

・道徳や学活の時間を使い、いじめについての授業を設ける

・事例やいじめの構造を考えたり、みんなで話し合いの場を持つ

・意見箱を設置し、テーマを決めて投稿してもらい、それをもとにクラスで話し合う。結果をクラスの代表が報告し合う

・いじめについてのアンケートを取り、アンケートを基にクラスで話し合う。意見をまとめて集会や校内新聞で発表する

・悪いことは悪いと言える環境作りをする

・クラス、学校、地域でお互いのことをよく知る

アクションプランを見ていただければわかるように、ほとんどが先生や親に頼らず、自分たちの力でいじめ問題を解決しようとする意見です。自分たちで問題を解決するための仲裁者の導入や生徒同士の話し合いや交流を通じて、クラスや学校の雰囲気を改善しようする考え方は、まさにピースフルスクールの目指すところと一致しています。生徒同士が互いに敬意を持ち、独立心と責任感を持って安心して過ごせる学校こそがいじめ問題の解決につながるという確信を得ました。

 

 

 

保存

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わかりやすいプロジェクト【国会事故調編】の英語版イラスト動画ができました!

わかりやすいプロジェクト (国会事故調編) ( http://naiic.net/ )は「福島原発事故では何が起こったのか」「福島原発事故の教訓とは何か」をひとりでも多くの方たちと共有することを目指しています。
2013年9月に、国会事故調報告書の要点を「短時間で概観できる」 イラスト動画 (6篇) をホームページ上に公開しましたが、さらに世界に向けて、ひとりでも多くの方と共有するため英訳版 を作成し、本日からホームページ上で公開しております。ぜひご覧ください。

【イラスト動画の内容】

  1. 国会事故調ってなに? What is the NAIIC?
    http://youtu.be/Ki6vCEhjAZc(2分11秒)
  2. 原発事故は防げなかったの? Was the nuclear accident preventable?
    http://youtu.be/DJVRBkMPlz4(2分52秒)
  3. 原発の中でなにが起こっていたの? What happened inside the nuclear plant?
    http://youtu.be/K4IrZY269ro(2分27秒)
  4. 事故の後の対応をどうしたらよかったの? What should have been done after the accident?
    http://youtu.be/dtJ8gvnKp-E(3分15秒)
  5. 被害を小さくとどめられなかったの? Could the damage be contained?
    http://youtu.be/O-ghbTy_HvY (3分02秒)
  6. 原発をめぐる社会の仕組みの課題ってなに? What are the issues with nuclear energy?
    http://youtu.be/0IHL_GIgv1o(2分38秒)


「わかりやすいプロジェクト (国会事故調編)」( http://naiic.net/ ) は、社会人、学生有志により2012年9月に発足しました。勉強会やワークショップ、講演会などを開催し、議論や対話を重ねています。プロジェクトに興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。

【本件連絡先】

わかりやすいプロジェクト(国会事故調編)  http://naiic.net/
Email: simple.project2012@gmail.com

クマヒラセキュリティ財団 ウェブサイトが新しくなりました!

クマヒラセキュリティ財団の新ウェブサイトをリリース致しました。

当財団は、教育と学習のイノベーションを通して、安心安全な社会の実現に貢献して参ります。

教育と学習のイノベーションの第一弾として、オランダの初等教育プログラムであるピースフルスクールの日本での導入に取り組んでおります。

ピースフルスクールは、建設的に議論して意思決定する習慣や、コンフリクト(対立)を子ども自身で解決することを教え、将来の民主的な社会の担い手となり、平和な社会を構築する人材を育てます。子どもだけでなく、大人である私たちにとっても学ぶことがとても多いと考えております。

ピースフルスクールに関するウェブサイトも同時にリリース致しましたので、ぜひご覧ください。

 

 

教師のタイムマネジメント

文部科学教育通信 No.312 2013-3-25に掲載されたグローバル社会の教育の役割とあり方を探る24をご紹介します。

ティーチフォージャパンは「すべての子どもたちが、環境や経済的事情に左右されることなく、必要な教育を受けられる社会、一人ひとりの可能性が最大限に活かされる社会の実現」をビジョンとして活動を行っています。4月から各地の小・中学校に16名のフェロー(教員)を2年間にわたり派遣予定です。このフェローを対象にティーチフォージャパンが行う研修はティーチフォーオールの全26加盟国の研修から良いものを採択して行われます。研修内容には、ビジネス界の知見を利用した内容もありますが、今回はその中で取り上げられている教師のタイムマネジメントについてご紹介します。

 

● 80-20の法則

成果や結果の8割は、その要素や要因の2割に基づくという一般法則をご存知ですか。「80:20の法則」「80-20ルール」とも言われ、経済学者のパレートが発見した経験に基づく法則であり、仕事や経済で良く使われています。「全所得の8割は、人口の2割の富裕層が持つ」(パレートの法則)、「故障の8割は、全部品の2割に起因する」(パレート原則)、「文章で使われる単語の8割は、全単語数の2割に当たる頻出単語である」(ジップの法則)、「売り上げの8割は、全顧客の2割に依存している」、「蟻の群れのうち、真面目に働いているのが80%、働かないのが20%」など、さまざまな現象・場面に見られます。仕事の成果の8割は、費やした時間全体の2割によって生み出されるのだとしたら、努力の平均水準を上げるのではなく、努力を1点に集中する方が効果的とも言えます。仕事をリスト化し、成果を生み出す20%の仕事は何かを見つけるという考え方が「多忙な」日本の教師に必要なスキルです。

 

● 仕事に優先順位をつける

優先順位をつける目的は、自分の仕事の中で「80-20の法則」に当てはまるものを見つけ、教室で優先的に行うことを特定することです。あなたが優先順位づけを行う際の基準は、これまで行ってきた仕事にどんな影響を与えてきたでしょうか。

私たちは、通常、1)緊急の仕事、2)自分が得意な仕事、3)好きな仕事、4)一番気にかかる仕事、に時間を使うものですが、実際に最も重要なのはどの仕事でしょうか。

ティーチフォージャパンでは、以下のような4つの優先順位づけのフレームワークをご紹介しています。

 

【フレームワーク1】5つのD

教師の職務は多岐にわたり、限られた時間の中で全ての仕事を完璧に行うことは不可能です。5つのDを使うことにより、仕事の優先順位を明らかにしましょう。

・Do (最優先課題)・・・今、すべき仕事、あなたのエネルギーと注意を最も必要としている仕事

・Delegate (委譲可能)・・・他の人に任せることができる、または誰かに手伝ってもらえる仕事

・Downgrade (下方修正)・・・する必要があるが、完璧にこなさなくてもよい仕事

・Delay (延期可能)・・・する必要があるが、今すぐにしなくてもよい仕事

・Drop (放棄)・・・する必要がない仕事

 

【フレームワーク2】時間管理のマトリックス

スティーブン・コヴィー氏は、著書「七つの習慣」で時間管理のマトリックスを述べています。全ての仕事は、重要度と緊急度に応じて以下の4つの領域に分けることができます。

緊急度 重要度.png

 

①重要かつ緊急な仕事:締め切りが近付いている仕事や宿題、クレームの処理、病気や事故など、つまり「危機」。
②緊急でないが重要な仕事:健康維持、人間関係づくり、自己啓発、勉強、準備や計画。多くの活動がこの領域にある人は健康で生活のバランスがとれているといえます。ちゃんと準備と計画を行っているので危機は比較的少ないと言えます。
③緊急だが重要でない仕事:多くの電話や横やり、突然の来訪や要求。緊急なので、相手にとっては重要かもしれませんが、自分にとってはそれほど重要でない仕事。「ノー」と言えない人はこの領域に時間を取られてしまいます。
④緊急でもなく重要でもない仕事:暇つぶし、些細なこと、テレビ、ゲームなど。多くの活動が③と④の領域にある人は無責任で他人に依存した状態になりがちです。これらの領域の活動に多くの時間を使うことをやめ、②の活動にもっと多くの時間を注ぐようにしましょう。

 

【フレームワーク3】 エネルギーとインパクトのマトリックス

仕事を注ぐエネルギーとインパクト(影響力)の観点から次の4領域に分けて考えます。

エネルギー インパクト.png

あまりエネルギーがいらないのに、インパクト(影響力)の高い仕事に力を注ぎましょう。逆に、エネルギーが必要な割にインパクト(影響力)の少ない仕事は避けましょう。

 

【フレームワーク4】

仕事を以下の3つに分類してみましょう。

1.      重要な仕事:絶対に必要な仕事、比較的早期に達成可能。

2.      可能な仕事:緊急性はないが長期で目標達成が可能な仕事

3.      できればやりたい仕事:改善につながる仕事、行うことによって、物事が簡単に、早く、良くなるが今すぐには必要でない仕事

 

● 優先順位を見直す

フレームワークを当てはめたら、もう一度、以下の観点から見直してみることが大切です。

・そもそも正しく仕事を分類していると言えますか?

・あなたが現在自分の仕事として行っていることは本当にあなたが適任でしょうか?

・優先順位づけを行った結果、効果の高い上位2割の仕事に時間とエネルギーを注いでいると言えますか?

 

● 優先順位を実行に移す

1)優先順位の高い仕事を「聖域」として扱い、その仕事に取り組んでいる時間は邪魔されないように時間を確保しましょう。

2)仕事とミッション(教師としての自分の使命)を結びつける次のような質問を自分に問いかけ、答えを書いてみましょう。

s   ミッションという観点から考えた時に今週、真っ先に私が取り組まなければならない最も重要な仕事は何だろうか?

s   その仕事を成し遂げるためにどのように時間を使ったらよいだろうか?

s   子どもたちの学習のために、この仕事は今すぐにやる必要があるだろうか?

s   もしそうだとしたら、そのために時間をどう使っていったらいいのだろうか?

3)タイムマネジメントのための時間をとりましょう。定期的に、フレームワークを使って優先順位の観点から前の週の仕事を振り返り、翌週の計画を立てましょう。

 

● タイムマネジメントを継続するヒント

タイムマネジメントを継続するためには、時間を取って毎週計画したことと、実際に実行に移したことを比較することが大切です。予期しない出来事が起きた時のために、自分の時間の2割を空けておきましょう。また、口頭や電話で済むことは手短に済まし、過剰にメールに頼ることは避けましょう。

新しい仕事が入ってきたら、その仕事が1)あなたの優先順位の観点からどの程度大事か、2)その仕事の時間の流れはどうなると予測できるか、3)現状のやり方よりも簡単な方法で仕事を行うことができないか、をまず考えてみましょう。

タイムマネジメントを徹底し、児童・生徒と向き合う時間や授業準備の時間をどれだけ捻出できるかが、教員としての成功のカギを握ります。教員にはタイムマネジメントの達人になって欲しいと思います。

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