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中学生向けリフレクション

2021.11.22文部科学教育通信掲載

プロのプロセス

皆さんは、プロのプロセスというNHKの教育番組をご存知でしょうか。社会で活躍する様々なプロから、情報を扱うテクニンクを学ぶ番組です。

インタビューの仕方や、計画の立て方、プレゼンの仕方など、社会にでると必要になるテクニックを、中学生でも理解できるように教えてくれるプログラムです。

今回、リフレクションが、この番組のテーマに選ばれ、私も、人生出始めて、プロの皆さんと番組制作に関わらせて頂きました。

出演するのは、チョコレートプラネットの長田庄平さんと、松尾駿さんです。

 

プロの仕事

番組制作では、リフレクションのプロとして参加させていただきましたが、この番組制作に関与しているみなさんがプロでした。題材は、私の著書でしたが、中学生向けにわかりやすい内容にしていただきました。私は、指示に従い、パーツの動画の収録を行いましたが、完成版は、パーツがとても上手に組み合わさっていてわかりやすさ、流れや区切りがとても上手に演出されています。また、私自身はお会いすることができませんでしたが、一つひとつの言葉使いについては、学校の先生や教育関係者がアドバイスをしてくださっていたようです。例えば、振り返りに欠かせない「仮説」という言葉は、中学生には分かり難いという理由で、「ねらい」という言葉に変えました。そして、最も凄いのは、出演者の選定です。チョコレートプラネットの長田くんと松尾くんの白熱の演技を思い出すたびに、今でもワクワクが止まりません。収録は、都内にある廃校の教室で行われたのですが、二人の演技があまりにも素晴らしく、そこがまるで劇場の舞台のようでした。私はなぜか舞台に上がり、劇を視聴しているような感覚で、終始その場にいました。

さて、本題の「長田くんと松尾くんがどのような振り返りを行ったのか」を紹介したいと思います。

  • 感想ではなく、振り返り

導入は、松尾くんが、ノートに体育祭の振り返りを書くシーンからです。松尾くんの書いた振り返りを長田くんが読み上げるのですが、そこには、「今年の体育祭はぶわーとなってぐわーとなて キュンでした」と書かれているだけです。長田くんが、「これはやばい感想だ」と松尾くんに伝えます。

こうして、振り返りは、感想とは違うということを明確にします。今回、振り返りがテーマに選ばれた理由として、学校の先生が、生徒によい振り返りを指導するのに苦労しているという背景がありました。振り返りと言いながらも、感想で終わっていることが多いのが現実なのではないでしょうか。

長田くんが、ここで、振り返りの定義を紹介します。「振り返りとは経験を知恵に変えるもの リフレクションだ! しっかり振り返りをして 経験を学びに変えよう」 こうして、松尾くんの体育祭の振り返りはスタートします。

  • テーマを絞る

振り返りでは、テーマを絞ることが大事です。体育祭全体を振り返ると、ぼんやりとした振り返りしかできません。そこで、松尾くんは、自分が担当した体育祭のスローガンを決める係について振り返ることにします。

  • 想定していた結果と実際の結果を明らかにする

結果を明確にする はじめに 想定した結果と実際の結果を書き出します。

松尾くんが、こうなったらいいなと思っていたのは

全校から300以上応募があって/選ばれたスローガンがみんなの合言葉になって/体育祭を盛り上げること

実際の結果は

応募は150ほど/選ばれたスローガンは「全力疾走!体育祭は汗臭い」/しかし評判があまりよくなかった

  • 想定していた結果と実際の結果にギャップに注目!

多くの場合、想定していた結果と実際の結果にはギャップが生じます。こギャップに注目して振り返ることがポイントです。ここからが、振り返りの本番です。

  • 過去の自分がどう考えていたのかを振り返る

計画を振り返る

スローガン募集ポスターを貼って募集し 体育の先生に選んでもらう

その計画を立てたときどんな狙いがあったか振り返る そうすることによって 内面、つまり過去の自分がどう考えていたかわかります。

マツオの狙いは スローガン募集で盛り上がり/掲示板の募集ポスターがみんなの目にとまり/体育の先生に選んでもらったから みんな納得できる

出来事+気持ち で振り返る 過去の自分が見えてきたら、次に経験を振り返ります。

経験を振り返る

ポイントは 出来事とそのときの気持ちをセットで振り返ることです。

気持ち(自分の内面)を、経験と一緒に振り返ることで この先自分がどうしたいかが明確になります。

応募が150あった。 その時の気持ちは もうちょっと来てほしい。

一番くやしかったのは、選ばれたスローガンの評判がイマイチだったこと。

出来事と気持ちを一緒に振り返ることで、未来に向けて どうしたいかが見えてきます。

  • どうしてそうなったのかを考える

理由を考え、法則を見つける 

経験の振り返りを見つめ直して どうしてそうなったのか理由を考えてみましょう。

そうすると自分なりの法則が見えてくるはずです。この法則を見つけることが リフレクションで一番のポイントです。

廊下の掲示板にもポスターを貼ったのに、どうして応募が150通しかこなかったのか。

友だちと一緒に振り返ると発想が広がる

ここで、親友の長田くんが疑問を投げかけてくれました。「掲示板って他にも張り紙があるから 以外と目立たないのでは?」

この問いがヒントとなり、長田くんは、「ポスター以外にも呼びかけをやればよかった」という気づきを得ます。

友だちと一緒にやる振り返ることで、発想が広がります。

  • ポスターは貼る場所も大事
  • 複数の方法でお知らせする
  • 見つけた法則を未来に活かす

どうしてスローガンの評判がイマイチだったのか。

  • みんなのスローガンだったから みんなで選べばよかった
  • みんなに納得してもらうためには 決め方も大事

自分の行動と内面を振り返った松尾くんは、いろいろ改善したいことが見えてきました!

振り返りで見つけた法則を 未来の計画にしっかり活かす。これを繰り返すことで、自分自身やチームがどんどんバージョンアップしていく。これが、振り返りの魅力です。

  • リフレクションを次につなげる

文化祭のスローガン募集プロジェクトを次にやるときには、

  • ポスターは 掲示版だけではなく各教室に貼ろう。
  • 校内放送でもPRしよう。
  • 選ぶ人は先生ではなくて、もっと広げて、みんなに投票してもらおう。

長田くんと松尾くんの振り返り体験から学び、ちょっとしたことの振り返りでも おもしろかった だけでなく、なぜおもしろかったのか?その理由を考えると 次につながるリフレクションができるということを、たくさんの中学生に知って欲しいです!

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