学習理論
ラーニングフォーオールの活動を通じて、TFAが蓄積した教師育成のナレッジを学んでいます。
その中の一つが、学習理論です。教師は、学習者の学習を支援する役割を担います。効果的な教師になるためには、学習者と学習についての正しい認識を持つことがとても大切です。学習理論を知っていると、授業や指導を工夫する際にも、科学的に行うことができます。
以下の内容は、Teaching as Leadershiphttp://www.teachingasleadership.org/ の情報を抜粋したものです。詳細は、上記サイトをご覧ください。
【学習理論キーコンセプト】
マルチプルインテリジェンスとは、生徒には多様な知性(言語的知性、論理・数学的知性、空間的知性、音楽的知性、身体的知性、対人的知性、内省的知性)があり、その知性の強弱と組み合わせが生徒の個性であるという考え方です。学習スタイルとは、新しい知識を取り入れるのに生徒によって学びやすいスタイル(視覚型、聴覚型、接触/運動感覚型)が異なるということです。
生徒の知識を短期記憶から長期記憶に移動させる方法。鍵となるやり方は、繰り返し、以前の知識への紐づけ、記憶の整理、新しい情報の加工 などです。
全ての子供たちが、同じ速さで発達するわけではありませんが、生徒のスキルや能力は、学年ごとに、認知、身体、社会面でほぼ同じような経路をたどり発達していきます。

理解レベルの情報を知る ⇒ 例を挙げるなど、理解がより深まるアプローチ
情報を適用する ⇒ 情報の適用方法を教え、例を豊富に挙げる
【マルチプル・インテリジェンス】
①言語的知性(Word)
言語を巧みに操作し、効果的に表現する力。
スピーチやディベート、言葉遊び、詩作などが得意。
数を操作したり、論理的に考える力。
数学、計算、分析、分類など、論理的思考を必要とする問題が得意。
身体を巧みに操作し、表現する力。
運動、ダンス、演技などが得意。
音楽を使って巧みに表現できる力。
作曲、歌が得意。
ものごとをイメージしたり表現できる力。
絵画、彫刻、映像化が得意。
他人の感情や考えを理解し人間関係を築く力。
自分自身を理解し、感情、思想、思考、価値観などを認識できる力。
自然を認知し共存できる力。
動物の飼育、植物の栽培、自然観察などへの関心が高い。
- 読み書きしたことを覚えている
- 目で見ることのできるプロジェクトやプレゼンを喜ぶ
- 図、チャート、マップをよく覚えている
- 見たときに最も良く情報を理解する
- 聞いたこと、言ったことを覚えている
- 教室や小グループでの話し合いが好き
- 口頭での指示を良く理解する
- 聞いたときに最も良く情報を理解する
- 手や身体を使って自分で経験したことを覚えている
- 道具を使ったり、実際に身体を使って参加できる授業を喜ぶ
- 一度やってみて、やり方を覚える
- 運動神経がいい
一般的には生徒はだんだんと複雑な考えや抽象的な考えを理解できるようになります。低学年では、比ゆ的な表現は理解が難しいですが、思春期を経て複雑な問題解決ができるようになります。
新しい知識は、生徒が以前に得た知識を土台として積み上げられます。生徒が説明の基礎となる知識を持たない限り、新しい知識の説明は役に立ちません。それゆえ、教師は、生徒に様々な経験や考え方に触れさせなければなりません。
生徒が社会学習や観察から学ぶことは数多くあります。生徒は自分の考え、見方、信念、思考過程を仲間や周りの大人たちと共有することによって、多様な見方や考えが身につき、自分の理解の欠点や欠落部分がわかるようになります。
- 小学校低学年(年長~3年生)の生徒は読み・書きを覚え、急速に概念、言語理解が発達します。
- 身体の発達には個人差があり、運動神経が急速に発達しますが、細かい運動神経の発達と言語面では、男子より女子の方が、成長が早いです。
- エネルギーが高く、自己規制能力がまだ発達していないので、興味のないことに集中するのは難しい年頃です。
- 社会的に自立することを覚えます。社会性を育み、新しい経験を模索するためのいろいろな「遊び」は重要です。
- ある時期になると状況を他人の目で観察できるようになりますが、年少~1年生の間は難しいです。
- 大人の考える理屈が、だんだんとわかるようになります。
【小学校高学年の認知発達(3年~6年)】
- 小学校高学年(3年-6年)では、以前よりも頻繁に抽象的概念(例:初歩的な代数)を扱うようになりますが、まだそれほど多くはありません。一方で、生徒のコミュニケーションスキルは書き言葉、話し言葉、共に急速に発達し、生徒の発達障害などの認知スタイルの違いが顕著になります。
- 身体の成長もゆっくりと着実に現れ、外見を気にするようになり、大人ではなく仲間が関心の中心になります。高学年になると特に女子生徒で思春期が始まり、急に成長をしたり、初潮が始まる生徒もいます。この学年では、身体の健康が一つの鍵となります。
- 小学校高学年でのつきあいはグループ内での自分の立場によって支配されるようになります。自分の学業成績を客観視できるようになり、通常、それは、学生の間、続きます。
【中学生の認知発達】
- 中学生(7年生ー9年生)になると、生徒は抽象的・体系的に、仮説を立てたり、推論できるようになり、認知スキルは質的に変化します。思春期を経て身体が飛躍的に成熟します。
- 自分の仲間との付き合いが深まり、同性の友人グループを作り行動するようになります。服装や外見に対する個人の好みやアイデンティティが芽生え、人目を意識するようになります。
- 自分らしさ(個性)が現れ、周りから見られている自分のイメージを意識するようになります(例: 活発、人気者、変り者など)。
- 男子生徒と女子生徒の違いが現れ出します。学業においても女子生徒の数学と理科の成績が男子生徒に比べて下降し始めます。
【高校生の認知発達】