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2024.7.24
リフレクション・対話・学習する組織
「強みを見つける」ワークショップ
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2024.02.12文部科学教育通信掲載

“みんなと学べる”ライブ動画学習サービスを展開するスクーのご依頼で、「強みを見つける」ワークショップの企画を行いました。

 

強みを知る大切さ

リフレクション(内省)の支援を行う中で、自分の強みや得意なことがわからないという方は意外に多いと感じます。一方で、弱みや苦手なことについては、リストにたくさんのキーワードが並びます。この状況を変えるためのワークショップを企画することにとてもやりがいを感じました。

最近、企業では、社員のエンゲージメントに意識を向ける企業が多いです。エンゲージメントの高い社員の集団になることが、強い組織になるための条件の一つとなっていると言っても間違いではないと思います。エンゲージメントの高い社員は、会社や組織に対する帰属意識が高く、モチベーションの高い状態で、仕事に取り組んでくれます。

エンゲージメントの高い社員の条件の一つが、自分の強みを活かし、組織に貢献していると感じられること、同時に、そのことを他者からもフィードバックしてもらっている状態であることだと言われています。自分が強みを活かし、貢献し、他者もそのことを認識して、かつ、その認識を本人にフィードバックしている状態です。この世界を実現するためには、上司をはじめとする組織メンバーの認識も大事もフィードバックも重要な要素ですが、まずは、本人が、自分の強みを自覚し、活かすことができる状態を実現するために、リフレクションを行いましょうという思いで、「強みを見つける」ワークショップを企画しました。ワークショップでは、認知の4点(意見、経験、感情、価値観)セットを活用し、自己の内面をメタ認知することで、自分についての理解を深めて行きます。

 

楽しい経験(仕事)のリフレクション

楽しいと感じる経験(仕事)の洗い出しと共に、「やらなくてもいいのに、自ら選択してやってしまうこと」を洗い出してもらいます。そして、その中から、2つのテーマを選び、認知の4点セットを活用し、リフレクションを行います。

事例では、「やらなくてもいいのに、自ら選択してやってしまうこと」として、旅行の企画を選びました。

意見

大学のゼミの仲間と毎年秋に旅行に行くことにしており、その旅行の企画はいつも私が行っている。

経験

今年は、日光に行った。今は、もう来年の旅行の企画を始めている。一泊2日の短い旅なので、思い出を創るために工夫が大事。フォトスポットを探したり、一般の旅行ガイドに載っていない場所を選ぶ等、驚きのある旅行になるように、いつも工夫している。食べる場所も、可能なら予約をするようにしている。旅のしおりをみんなに渡したら、あとは、私も旅行を楽しむ。

感情

(みんなの喜ぶ姿や驚く姿を思い浮かべると)ワクワクする

(旅の楽しい思い出話をしているのを聞くと)嬉しい

価値観

周到な計画

みんなの喜ぶことに貢献すること

イベントの演出

楽しい思い出づくり

このリフレクションを通して、それがどんな経験なのか、自分が何を大切にしているのか、どんなところに喜びを感じているのかを知ることができます。

次に、この経験の中に、「強み」を探していきます。冒頭にお伝えしたように、「強み」は、自分では言語化しにくいので、他者との対話を通して、「強み」を探して行きます。他者は、認知の4点セットのリフレクションを更に深掘り、経験や大切にしている価値観を聞き取ることで、簡単に「強み」を発見する支援が行なえます。

この事例では、以下のような強みがリストアップされました。

調査力/計画力/創意工夫する力/共感力/顧客視点/対人関係能力/品質へのこだわり

やりがいを感じた経験(仕事)のリフレクション

ステップ1

ワークショップでは、同様に、「やりがいを感じた経験(仕事)」についても、リフレクションを行います。

 

意見

未来シナリオを描くワークショップの企画運営

経験

15年先の社会を想像し、未来シナリオを描くワークショップを行った。
5つのテーマに絞り込み、専門家の話を聞いたり、最先端の取り組みを行っている組織を探し、インタビューを繰り返した。この作業を通して、ものの見方がどんどん変化していくことを感じた。その結果、納得の行く未来シナリオを作成することができた。

感情

(自分の知らない世界に触れることは)面白い

(未来を描くことは)楽しい

(答えを探す過程に)ドキドキする

価値観

未来を予測する
想像する
創造する

 

ステップ2

この経験をテーマ、やりがい、主な行動、チャレンジの3つの視点で更にふかぼります。

【テーマ】 いつの、どんな仕事ですか。

3年前の仕事

未来シナリオを描くワークショップの企画運営

【やりがい】どこにやりがいを感じましたか。

答えのない問いに向き合うこと/新しい世界に触れること/

白いキャンパスに絵を書くこと/一人では成し遂げられない成果をチームで創造すること

【主な行動】どんな行動を取っていたのでしょうか。

答えを探す、インタビューする、対話する、仮説を検証する

リフレクションする、抽象概念化する、リスクを楽しむ       チームにエネルギーを注ぐ、粘り強く続ける

【チャレンジ】その仕事には、どのようなチャレンジ(難しさ)がありましたか。

やったことのないこと、正解がわからないことがほとんどだったので、その
過程は、カオス状態だった。

 

ステップ3

次に、「強み」の言語化に挑戦します。

この事例では、対話を通して以下の強みがリストアップされました。

コラボレーション力/調査力/インタビュー力/リフレクション力/学習力/創造力/決断力/軌道修正力/カオスを楽しむ力

 

「弱み」のリフレクション

「弱み」を発見する方法も紹介して欲しいというご依頼がありましたので、ワークショップでは、弱みにも触れました。

「強み」の裏側には、「弱み」が存在します。

例えば、先程ご紹介した旅の企画が得意なAさんの苦手な仕事は、創意工夫が許されない仕事や顧客ニーズに答えられない仕事です。このため、型通りに行う仕事は得意ではなく、やりがいを感じることもできません。

未来シナリオを描いたBさんの苦手な仕事は、過去を踏襲する仕事や、先が見通せる仕事です。このため、指示通りに仕事を行うことは得意ではなくやりがいを感じることもできません。

このアプローチは、「弱み」から「強み」を発見する際にも応用できます。もし、「弱み」についての自己理解が明確であれば、その裏側にある「強み」を探すと、「強み」を簡単に発見できるかもしれません。

 

苦手意識の克服

最後に、苦手意識の克服についてもワークショップではヒントをお渡し致しました。

苦手意識を克服することは、簡単ではありません。

スピーチに苦手意識を持つ人が、スピーチを上達させることをゴールにしても、なかなか前向きに挑戦することができないという事例で、苦手なことを克服する実践方法を紹介しました。

成功の鍵は、ネガティブな感情に注目し、その裏にある「願い」を特定することです。目的を、苦手の克服ではなく、「願い」の実現に変換することで、前向きに苦手の克服にチャレンジすることが可能になります。私達の内発的動機は、「願い」に向かうとき、とても前向きに私達を後押ししてくれます。

皆さんも、ぜひ、自分や周囲の人たちの「強み」に注目し、言葉にしてみてください。