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隠岐島前高校ではじまるリフレクションの実践②

文部科学教育通信掲載2022.05.09

 

総生徒数158人の内、90名が留学生という隠岐島前高校で、2021年3月からリフレクションの実践が始まりました。3月に、隠岐島前高校を訪れ、2年生、3年生と、先生たちに、書籍で紹介しているリフレクションの手法を紹介する機会を頂きました。

前回は、生徒の皆さんのリフレクション講座の振り返りをご紹介致しました。今回は、先生と生徒のリフレクションの内容をご紹介致します。

 

プロジェクトの振り返り

意見、経験、感情、価値観の4点セットを活用した振り返りからご紹介します。

1年間の活動を終えて、プロジェクトを振り返り、最も印象に残ったことをテーマにリフレクションしました。

 

【生徒の事例】最終発表のための振り返りのリフレクション

最終発表のために、今まで逃げていたものに向き合った結果、プロジェクトの経験からたくさんのことを学んでいる自分に気づけました。うまくできなかったことやもっとできることがあったのではないかと、ネガティブな気持ちでいた自分が、振り返りを行うことで、前向きな気持ちに変わったという貴重な経験のリフレクションです。

(図1)

 

【先生の事例】担当チームの停滞期のリフレクション

リフレクション講座では、予め、先生にリフレクションを行っていただき、事例として生徒に紹介しました。問いは、生徒と同じく、最も印象に残ったことについてです。 自分が担当しているチームの活動が、停滞していた時の不安を語ってくれています。プロジェクト学習は、生徒の主体性を尊重することが前提です。よい学習経験をして欲しいという先生の愛情や責任感が伝わってきます。

(図2)

リフレクションは、人間の営みであり、そこに、立場の違いはありません。先生も人間です。先生だって、困惑したり不安になったりします。そういう気持ちや背景を、先生が、生徒に共有することで、先生と生徒の人間関係にも変化が現れるのではないでしょうか。

次に、先生と生徒が同じ出来事を振り返った事例を紹介します。

 

探究活動で実践の協力を予定していたお店を、生徒が訪問した際に、たくさんの意見をもらいました。先生も、生徒も、その出来事をリフレクションのテーマに選んでいました。

どちらも、心の動きがとても良く伝わってくるリフレクションです。生徒は、物事に対して共通認識を確立することが簡単ではないことを学びました。次回のプロジェクトでは、きっとこの学びが生かされ、上手なホウレンソウが行えるのではないでしょうか。

プロジェクト学習では、活動とその成果に意識が向きがちですが、一番大事なことは、「その経験から何を学んだか」です。学びを整理し言語化することで、リフレクションを友達と共有することもできます。

(図3 4)

 

経験から学ぶリフレクション

経験から学ぶリフレクションについても、先生と生徒の事例を一つずつ紹介します。

 

【先生の事例】

スポーツカーを所有する先生が、自動車を購入する際に重要な視点に気づいた事例です。

(図5)

 

【生徒の事例】

体験活動に満足してしまい、インタビューを行っていたのに、その情報が発表に活かせなかったようです。次回は、インタビュー直後に取りまとめることができるのではないでしょうか。

(図6)

リフレクションを共有すると、生徒が何を感じ、何を学んでいたのかを知ることができます。体験活動の後には、必ずリフレクションを行うことを習慣にしてみてはいかがでしょうか。

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