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就活生のためのリフレクション講座

2021.01.25文部科学教育通信掲載

就活生を対象にリフレクション講座を始めました。就活生が、キャリアを選択する上で欠かせない自己認識を深めるためにリフレクションを学びたいというご相談を頂き、始めた講座です。

 自分を知るリフレクション

メタ認知のためのメソッドを活用し、リフレクションを行うと、自分が何者なのかを理解することができます。人生で印象に残った経験を振り返ると、自分が何にこだわり、どのような経験を大切にしてきたのかを俯瞰することができます。20年間の人生の歩みの中で、思い出に残る出来事、嬉しかったこと、辛かったこと等を振り返ることで、自分を知ることができます。

感情と価値観の関係

私たちは、日頃、価値観レベルで考えることが少ないです。大人もそうですが、学生も同様に、学校教育で、価値観を扱うことが少ないため、「価値観はなにか」と問われると、困ってしまいます。しかし、嬉しかったこと、悲しかったことなど、出来事を尋ねれば、簡単に答えることができます。出来事を題材にリフレクションを行えば、実は簡単に、価値観を見出すことができます。学校の合唱祭で優勝した出来事を、テーマに選んだとしても、みんなと頑張れたことが喜びの源泉である場合も、競争に勝つことが最高という場合もあります。感情の背景には、価値観があります。感情がポジティブな時、価値観は満たされていて、ネガティブな感情になった時には、自分の大切にしている価値観とは異なる価値観が優先されていると感じているはずです。

 なぜ、なぜ、なぜ

なぜを5回繰り返すことが、思考を掘り下げることができると云いますが、リフレクションでも、同じことが云えます。合唱祭で優勝して楽しかったのはなぜか。みんなと頑張れたから。Why➀なぜみんなと頑張れたからうれしいの? 練習をサボりたかったけど、凄い頑張ってた子がいて、その子のパワーに影響を受けた。Why②どんなパワー? その子は、理想の音を心に持っていて、理想を手放さなかった。Why③理想って? 全員の音が揃っているのか、普通なら上手といってもいいレベルでも、彼女だけ、音のズレに気づいて、何度も、何度もやり直しを求めた。その過程で、みんなの心が合わさった感じ。Why④大変だったと思うけど、どんな気持ちだった? 誰もが、声を合わせることに必死になって、集中力があがり、最初は音が合っているかどうか、みんなわからなかったのに、最後には、誰もが、1ミリの音のずれに気づけるようになった(笑) why⑤この練習の思い出のどこが一番楽しかったの? みんなで一つのゴールに向かって、進化に挑戦したこと。

Why5回で明らかになった価値観

みんなで頑張ることもうれしい。一人ひとりがゴールを自分事にした状態で、共通のゴールの実現に向かっていること、そのゴールが簡単ではなく、挑戦がそこにあること、ゴールを達成するために、進化が求められていること等が、大切な価値観であることに気づくことが出来ました。

就活のヒント

就活は、人生で初めて行う大きな意思決定です。終身雇用の時代ではなくなり、大企業からベンチャー企業まで選択肢が広がる中で、外から眺めて企業を理解し、就職先を選ばなければなりません。できれば、最良の選択、最良の決断をしたいと考えれば、考えるほど、正解が何かわからなくなるというのが正直な所ではないでしょうか。

そこで就活という意思決定のためのヒントもお渡ししました。自己認識、事業、人、企業文化、働き方、社会、時代、学べることの8つの視点です。

 【自己認識】

好き、得意、志向特性、興味関心、憧れ、キャリアビジョン、ワークライフバランス、
暮らす場所、仲間

 人生の意思決定ですから、自分を起点に考えなければなりません。自己分析が大切なのもこのためです。自分の嫌いなこと、不得意なことが求められる場所に居ても、人は幸せになれません。同時に、ワークライフのバランスのとり方や、暮らす場所についての希望があるのであれば、それも明確にしておくことが大事です。海外に行きたいのなら、海外展開をしている企業を選ぶ必要があります。一緒に働く人が、苦手なタイプばかりだと、仕事そのものが好きでも、おそらく、充実したキャリアを構築することが難しいかもしれません。

【事業】

パーパス製品・サービス規模収益性独自性ブランド市場地域

次は、会社と事業の評価です。この会社が好きとか、この会社はいい会社だという時に、何を見ているのかを点検してください。その会社の存在理由なのか、製品やサービスなのか、規模や収益性なのか、その企業の持つ独自性やブランドなのか、誰がお客様なのか、どんな地域に進出しているのか。企業の魅力を多面的に理解することも大切です。

【人】

人材特性(仕様)人材のスタイル(社風)市場価値(評価)中途採用・出戻りの動向

ダイバーシティ推進・女性管理職比率の推移

 人生の最初に就職する会社は、人間の職業観にとても大きな影響を与えると云われています。このため、その会社に入ると、どのような仕事のスタイルを身に付けることになるのかを知っておくことが大切です。また、終身雇用が終焉した今日、その会社で働いている人たちは、転職市場でどのような評価を得ているのかを知ることも大切です。

最近では、多様性を重んじる企業が増えています。中途採用や一度辞めた社員の再就職を歓迎するような風土がある会社であれば、多様性を大切にしようとする姿勢が見えます。女性管理職比率を上げるために、どのような施策に取り組んでいるのかは、女性にとっては重要な指標かもしれません。

 【企業文化】

理念、創立の精神、創業者/経営者の特性

理念がしっかりとしている会社であれば、その理念が、自分にとってどんな意味を持つのかをしっかりと考えることが大切です。

 【働き方】

ジョブ型リモートワーク、兼業、副業

 現在進行中の働き方改革の取り組みは、100社100通りと云ってもよいかもしれません。これから本格化する働き方改革に対ししてどのような意識で臨んでいるのかを知っておくことで、理想のワークスタイルを実現することができます。

 【社会】

ESG、SDGs 統合レポート

 SDGsに代表される持続可能性に対する企業の取り組み姿勢は、企業の未来志向度を表しているとも云えます。HPで紹介されている取り組みをチェックしてみると、企業の取り組み姿勢を知ることができます。

【時代】

時代の創造/時代への適応

時代が大きく変化する中で、企業は大きく2つに分類することができます。時代を創る企業なのか、時代の変化を追いかけている企業なのか。そのどちらに身を置くのかは、好みの問題ですが、どちらなのかを知っておくことは大切です。

【学べること】

バリュービジネスモデルスキルセット経験業界人脈

変化する時代にキャリアを考える上で、最も大切なことは、「何を学べるのか」だと思います。どのような価値基準や行動規範を身に付ける企業なのか、どのようなビジネスモデルを学ぶのか、どのような経験を積み、どんなスキルを身に付けるのか、どのような業界について学び、どんな人脈を形成することになるのか。

学びの観点も、キャリアの選択において大切にして欲しいと思います。

大学生の皆さんには、幸せなキャリアの選択をし、自分らしく、キャリアを積み、楽しく充実した人生を生きて欲しいと思います。

 

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