skip to Main Content

ブルーミングの勧め

2020.12.14文部科学教育通信掲載

オンライン研修会【祝!JobPicksローンチ】自分のOSをアップデートする方法 〜自分と世界を幸せにするために学び続ける「自立型人材」を増やす〜  を、開催致しました。前半は、私の方から、21世紀学び研究所の取り組みを紹介させていただき、後半は、JobPicks編集長 佐藤留美氏と代表世話人株式会社の杉浦佳浩氏と対話を行いました。

NewsPicks副編集長でもある佐藤留美氏は、大学生の就職活動や、20代のキャリア選択を支援するためにJobPicksという新しいメディアを立ち上げられています。厚労省が「未来の働き方2035」レポートで考察したテクノロジー、社会、働き方の変化が現実味を帯びていく中で、若者が、自分らしさを大切に、充実したキャリアを構築するために、JobPicksの果たす役割はとても大きいと思います。

代表話人株式会社の杉浦佳浩氏は、年間1000人を超える経営者と会い、企業の事業展開をサポートしたり、人をつなぐお仕事をされています。50歳までのキャリア経験を活かし、独立された杉浦氏は、人生100年時代の働き方を実践するロールモデルとも言えます。

研修会の目的 

杉浦佳浩氏が、研修会をご案内する際に発信してくださったメッセージは以下の通りです。

「失われた30年」が当たり前のワードとなっている現代、しかしながら本来は【失わせた30年】と自覚・自責を持つべき昭和な人々の責任感の無さがまさに引き起こしたことと感じます(自戒も含めて)。企業、組織、ビジネスパーソン全てが過去の成功体験(昭和的価値観)にしがみつき、【振り返り】の大切さに気づかず実行せず、同じ過ちを繰り返す(変化に取り残されれている)。まさに変化についていけない自身の【OS】をアップデートできていないことが大きな問題です。そこで講師の熊平氏から、これまでの常識に頼らずに自分自身と対話しながらOSアップデートする方法を学び、自立型人材の育成の一助になればとこの機会を企画いたしました。

またこの企画は、10月にローンチする新しい仕事メディア【JobPicks】スタートにも連動した企画となっており、新メディアが世の中に広がることで自立した人材が増え、自分で選択できる職、考え方、捉え方の多様化を促し、そして【振り返り】により自身の人生を深め、変化に柔軟になり人生を楽しく歩み続けることを願っています。

ブルーミング

本企画に当たり、わかりやすく、OSをアップデートする方法をご紹介するために、ブルーミングという言葉を使うことにしました。ブルーミングとは、花が咲いている状態のことです。人が夢を叶えるプロセスを、植物に例えました。種は、動機の源。誰もが、心の内に秘めているモチベーションの源泉です。ブルーミングの最初のステップは、自分を突き動かす大切な価値観を知ることです。

新卒一括採用の制度を持つ国は、韓国と日本だけという話を聴いたことがあります。企業の人事制度が、メンバーシップ型からジョブ型に移行する中で、新卒一括採用にも、少しづつ変化が現れています。大学受験と就活で成功を収めれば、生涯安泰という時代が終焉した今日、若者が、自分の動機の源を知り、活かす道を見出すことができれば、自分らしく、キャリアを積み上げていくことができるのではないかと思っています。

動機の源を知るためには、メタ認知力が必要になります。自分の思考と感情を俯瞰することができるようになると、自分が何に突き動かされているのか、自分が何を望んでいて、何が課題だと捉えているのかを知ることができるようになります。その結果、自分がやりたい事、やりたくない事を、自己認識できます。しかし、自分の物差しではなく、偏差値的な物差しで、キャリアを選択する若者も多く、その結果、キャリアの選択に迷うケースも多いようです。

種を植える

動機の源が解れば、次は、自分が咲きたい場所に種を植え、水をやります。この際に、大切な役割を果たすのが、周囲の環境です。云われたことを云われた通りにやることだけを期待される環境では、種は芽を出すことができません。自分の動機の源を活かし、ありたい姿と現状を埋めるために、自ら行動し、学び続けることが奨励される環境と成長を支援してくれる人の存在が、水やりに当たります。

新人は、勿論、まず、云われたことが遂行できることが大切ですが、同時に、マシーンではなく、一人の人間として組織に存在していると感じられることがポイントです。大企業の一員になれば、誰もが、代替可能なことは事実ですが、職場の人間関係が充実していれば、誰もが、自分がコミュニティの一員であると感じることができるはずです。最近では、社員の仕事に対してポジティブで充実した状態を示すエンゲージメントという言葉をよく耳にしますが、エンゲージメントにおいても、その7割は、人の気持ちに依存すると云われています。気持ちよく働き、成長できる環境に植えた種は、すくすくと育つはずです。

すくすくと育つ

出た芽が、すくすくと育つために鍵を握るのが、リフレクションの習慣です。リフレクションの習慣を持つ人は、現状とありたい姿のギャップを常に把握し、ありたい姿に向かって行動し、その結果をリフレクションし、次の行動計画に反映させます。時には、自分自身が、前進の障害となっていることに気づき、軌道修正をすることができれば、ありたい姿に到達することが可能になります。ありたい姿に到達できない時には、現状の見立てとありたい姿に向かう道筋が間違っているかどちらかです。課題に直面した際に、一番難しいのは、自分自身を客観視すること。特に、自分の思い込みやものの見方にある課題を特定することです。壁にぶつかった時に、壁が何かを考え続けるよりも、自分のものの見方を点検する方が懸命なのですが、このプロセスを一人で行うことは難しく、他者との対話が役立ちます。

フィードバックを活かす

成人発達理論でも、人は他者の力を借りることで大きく成長できると云います。他者からのフィードバックで、自分の盲点に気づくことができ、新しい視点を手に入れることができます。対話を通して、自分の境界線に出る習慣を持てば、自分の知らない世界から知恵を授かることも、容易です。この際にも、忘れてはいけないのは、現状とありたい姿の点検です。自分の動機の源とありたい姿と現状の3つを、常に俯瞰できることが、ゴールを見失わないために、とても大切なことです。そのためにも、あなたのビジョンを応援してくれる仲間の存在が欠かせません。

皆さんも、ブルーミングに取り組んで頂ければと思います。

Back To Top