女性セミナー 幸せな人生・幸せな社会(その2)
文部科学教育通信2018.4.23掲載
2018年2月26日に、保険会社のエムエスアンドエイディーホールディングスで活躍する女性の皆さんを対象に基調講演を行いました。前回掲載したその1の続きです。
女性はリーダーに最適!
・女性に向いたリーダーシップの時代になっている。
マネジメントは目標を実現するためにPDCA管理に重点を置いている。
一方、リーダーシップは自分の言葉や行動を通して人も主体的に動くようする影響力のこと。人に焦点を当てている。
・リーダーシップとは、立場であり、生まれ持ったもの、カリスマ性やロールモデルが必要、リーダーは一人だけでいい等という考えは全て誤解だ。
・リーダーシップが生まれ持ったものと言われたのは1930年代だ。
ドラッカーは「リーダーシップは学べるもの、優秀なリーダーの特徴はカリスマ性を持っていないことだ」と語っている。
・一人のリーダーが回せるほど世の中は簡単ではなくなった。
現場にはリーダーがたくさん必要だ。
リーダーシップは個性を土台に自ら構築していくもので、誰かの真似をしてもだめだ。
・自分の強みを生かして組織に貢献してくのがリーダーシップだ。
・リーダーには共感力が必要だ。
市場が多様化しており、先進国パターンだけで捉えられず、各国ごとの置かれた状況も理解する必要がある。
市場に対してもそのくらいの共感力が必要で、これからのリーダー像は女性に合っている。
・2006年、欧米の女性リーダーたちにインタビューをしたところ、全員が共通して「チームを大事にする」と述べており、女性はチーム志向があるとの仮説を持った。
・彼女たちから「力のある男性のメンターを持つことが必要」というアドバイスを受けた。
男女平等とは言っても、女性が社会を動かしている訳ではないので、今の社会のゲームやルールを男性から学ぶ必要があるということだ。
・女性は組織の中で上がっていくことに関心がなく、管理職に興味がないとも言われるが、女性に管理職を求めるなら、上司は、彼女に何を期待しているか、どんな成長の機会があってどんな世界が広がるか等を説明してほしい。
女性も世界が広がることに興味はあるはず。女性は管理職について違う観点も持ってほしい。
ダイバーシティの心得
・男性はヒエラルキー型、女性はチーム型と言える(世界共通のジェンダー論から)。
・ダイバーシティに優劣の概念を持ち込んではいけない。
優は劣に学ぶことができず、多様な人々が一緒にいる意味がないからだ。
相互に学習していくことに意味があり、優劣の概念がダイバーシティの障害となっている。
・「自分と違う人を尊重する」というのは自分軸で相手を評価していることになる。
自分自身が多様性の一部であり、多様性を受容することが重要だ。
さらなる成長に向けて
・仕事は成長の機会であり、昇進に伴って意思決定のインパクトや責任、影響力等も広がっていく。
枠が広がり成長につながるという観点を意識してほしい。
自分が今どこにいて、どんな成長が可能なのか可視化してほしい。
・時代背景を無視しては生きていけない。
自分と世界がつながっており、自分がどこに立っているか考えないといけない。
会社の将来は昔は経営者だけが考えていた。
今は経営者だけが考えて回る時代ではない、現場が考えなくてはいけない。
・会社の中期経営計画にも自分の仕事が紐づいている。すべて自分事で考えよう。
・受け手に残る印象も重要だ。
話の内容が受け手に与える影響は7%と言われている。
他者を説得するために、内容だけでなく自信のある話し方や見た目も意識しよう。
・米国では女性活躍が進まない理由の一つに偏見があると言われており、能力が同じでも男性と同様の評価が得られないという現実がある。
・ビジネス社会では女性はマイノリティ、ヒエラルキーが上がれば更にそうだ。
だから男性のメンターが必要なのだ。
・女性の強みとして「柔軟だがぶれない」「間違っていると思ったら変わる」等がある。
・女性は100%要件を満たしたら手を上げる、男性は6割でも手を上げると言われている。
女性も最初から100%と思わずに、6割で手を上げる男性のおおらかさは見習うとよい。
・一方で、男性の真似をしても三流の男性にしかなれない。
自分という人格のひとつの要素が女性であるとの意識でいてほしい。
最後に、現代は地位や年齢に関係なく誰もが学ぶ時代です。 GEのリーダーたちは、リーダーに専門家的な態度ではなく、学習者の態度を求めています。世界中からよいものを検索し、最もよいものを上手に取り込もうとしています。 幸せな人生、幸せな社会とするために学び続けてほしいと思います。