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過去からの学び、未来を創造する力

文部科学教育通信No.355 2015.1.12掲載

2015年が幕を開けました。今年の目標を立てている方も多いと思います。

どのような1年にしようか。何を達成しようか。そう考える時、昨年のことをあれこれ思い出して、実現出来たことや出来なかったことに思いを馳せる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、過去から学び、未来を創造する力と題して、リフレクション(内省)のポイントをご紹介いたします。

 

リフレクションについて

リフレクションは、変化の激しい時代において私たちが幸せに生きるために最も重要な力であると言われています。OECDのキーコンピテンシーも、リフレクションをキーコンピテンシーの核として、自らを省みる思考と行動の重要性についてふれています。

正解がわからない中で、自分の頭で考えて行動しなくてはならないことが多いですが、その際に自らを振り返り、改善し続けられる人になる必要があります。

それでは、どのようにリフレクションを行えばいいのでしょうか。

 

リフレクションの3つのレベル

リフレクションが大切だからといって、やみくもに内省することはお勧めいたしません。適切な手順を踏んで実施することが望ましいです。

未来につなげるためのリフレクションはどうしたら良いのでしょうか。
リフレクションには3つのレベルがあると言われています。

・レベル1:出来事についてのリフレクション
何が起きたのかを振り返っている状態。出来事や結果についての理解を深めるリフレクション。

・レベル2:他者や環境についてのリフレクション
出来事の要因分析は行うが、その要因を環境や他者に求めるリフレクション。

・レベル3:自己のリフレクション
出来事の要因分析において、自分の思考や行動、感情を振り返るリフレクション。

 

レベル1や2のリフレクションを行っている方は多いと思います。
「あの時の母親の反応は何だったんだろう…」、「上司のせいで仕事をミスしてしまったのでは…」、「学校の制度がこうだからいけないんだ…」
しかし、残念ながらレベル1や2のリフレクションでは変化を起こすことはできません。

レベル3のリフレクションを行うことが、未来の扉をあける鍵になります。
自己のリフレクションをすることは時に苦痛を伴いますが、それでも自分に対して内省し続けることが確実に未来を変える行動であると思います。他者や環境について文句を言い続ける「評論家」で終わってしまうのは、本当にもったいないことではないでしょうか。

 

学習者のリフレクション

学習しない人たちと学習者のリフレクションの違いを細かく見ていきましょう。

・学習しない人たちのリフレクション

変えられない過去に対して、ひたすら振り返っていることが多いです。

  1. どんな間違いが起きたのか

  2. 誰の責任か

  3. 言い訳・謝罪を考える

  4. 経験から学習しない

このような振り返りでは、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。例え、自分だけの責任ではなかったとしても、コミットしている以上は、自分に対して内省することが求められます。

・学習者のリフレクション

変えられる未来に対して、過去の成功や失敗体験からの学びを活かすために振り返ります。

  1. 本来期待されていた(期待していた)結果は何だったのか

  2. 実際の結果はどうだったのか

  3. ありたい姿と現実にはどのようなギャップがあるのか

  4. そのギャップを埋めるために、何を変えればいいのか

  5. ありたい姿を実現するため、何をすればいいのか

学習者は、リフレクションを軸に学習の自己強化ループを実現させているため、より良い未来を自ら創りあげているのです。

過去を振り返る際、痛みが伴うこともあると思いますが、ぜひ学習者のリフレクションを実践していただきたいです。

 

リフレクションのフレームワーク

効果的にリフレクションを行うため、以下のフレームワークを利用することが多いです。

漠然と振り返ることは膨大に時間がかかり効率的ではないので、まずはこのフレームワークを使って、過去を振り返り、ネクストステップを出すという一連の流れを実践することをお勧めいたします。

 

□□□について

これまでの私は、□□□□だと考えていた。

今は、□□□□□だと考えている。

そこで、私は□□□□□□に取り組む。

 

より良い未来は自分で創りあげることができます。言い換えると、他の誰かに頼りきるのではなく、自らの行動を起こさないことには、未来をより良くすることは難しいです。

過去を振り返り、次に行うべきことを自ら考え実行していく年としたいです。

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