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AMBITIONER’S LAB(アンビショナーズ・ラボ)ワークショップ

文部科学教育通信 No.343 2014-7-14に掲載された教育と学習のイノベーションを探す(3)をご紹介します。

2013年に、「未来を創る力を共に学びたい」という想いで、AMBITIONER’S LAB(アンビショナーズ・ラボ、以下ABL)を立ち上げました。

ABLは、OECDのキーコンピテンシーや『学習する組織』、U理論、デザイン思考、ビジブルシンキング、マルチプルインテリジェンス、Teaching as Leadershipなどを主たる理論としています。

これらの理論をもとに、未来を創る人にとって必要な力と価値観を「未来を創る8つの力と4つの価値観」としてまとめました。

2014年6月から12月にかけて、ABLではこれらの力と価値観を身につけるためのワークショップを全12回開催いたします。

今回は、AMBITIONER’S LABとそのワークショップについてご紹介いたします。

 

●未来を創る8つの力と4つの価値観

ABLでは、未来を創るために必要な力と価値観を以下のようにまとめています。

【8つの力】

  1. 真の自分を生きる力
    人は、自ら心から望むことをする時にとてつもない力を発揮します。これが未来を創る原動力となるのです。未来を創る人は、自らはもちろんのこと、多くの人たちが、真の自分を生きることができるように、使命を見いだすことを助け、その実現を後押しする力が求められるのです。

  2. 心を突き動かすメッセージ発信力
    未来を創るためには、ビジョンを発信し、共鳴する仲間を作り、力を合わせることが必要です。そのために、論理的かつわかりやすい説明をすることに加え、人の心に火をつけ、心と心を結ぶメッセージ発信力が必要です。

  3. 新しい価値を生み出す対話力
    新しいアイデアは異質なものが交差するところで生まれます。多様な経験や専門性を持つ人同士が、お互いを尊重し、安心して意見をぶつけ合い、学び合うことを通して、新しい価値が生み出されます。

  4. 創造的な問題解決力
    未来に向かう過程では、あらゆる分野の既存の秩序が、大きな変化を求められます。そのような中で求められるのは、論理的に考える力、複雑にからみあった全体像を把握する力、過去にとらわれない新しい解を生みだす力です。

  5. 自らの意志で動く強いチームを創る力
    未来をつくるためには、個を超えたチームの力が必要だからです。夢とビジョンと目標を共有し、一人一人が自らの役割を知り、自らの意志でその目標の達成にコミットしていく。強い信頼関係のもと、互いの意見の相違を恐れず、オープンな議論ができる。強制力ではなく、自らの意志で動く。そんなチームを創る力が求められます。

  6. 自ら学び進化する強い組織をつくる力
    未来をつくるためには、新しい未来を生みだす意志と、過去のとらわれから脱却し、常に新しいものを受け入れ、自ら変わる力を持つ組織をつくることが必要です。共有ビジョンを実現するために、個人、チーム、組織全体が、必要な気づきと能力を高め続ける組織を創る力が求められるのです。

  7. 学習する力
    未来をつくるためには、過去にしばられず、常に新しい見方を手に入れる必要があります。また、多様性から新しい価値を生みだすことが大切です。好奇心を持ち、異質なものから学び、自らの思考や行動を省みて、自らの枠を広げ、成長する。こんな姿勢で行動し、進化を遂げる力が必要です。

  8. 育成する力
    自ら学び進化する強い組織をつくるためには、学習する力を持つ人を育成することが大切です。ありたい姿に向けた成長課題を明確にし、伴走者として観察とフィードバックにより人々の成長を支援する。このような育成力が求められます。

【4つの価値観】

  1. 人間の創造力と無限の可能性を信じる
    人間が持つ潜在的な力、まだ見ぬものを創造し、未来を創り出す力は計り知れないものがあります。未来を創る人は、この人間の持つ偉大な創造力と無限の可能性を信じ、人を活かし、人を育てる気概をこれまで以上に持つことが必要です。

  2. 他者への共感を大切にする
    他の人が置かれた状況に、深く共感することができれば、企業部門も公共部門も含めて、よりよい社会の実現に向けて、様々な新しい価値を生みだすことが可能となります。

  3. 多様性を尊重する
    多様性を尊いもの、価値あるものとして受け入れ、多様性から新しい価値を生みだし、多様性が安全に存在できる環境をつくる力が求められるのです。

  4. 倫理観を大事にする
    自分たちのチームや組織の偏狭な利益だけでなく、社会の善にどのように貢献するかを考慮することが求められます。
    目的の正しさを常に考えて行動する力が必要となります。

ABLは、これらの力と価値観を実践的に身につけるためのワークショップを開発しました。
ハーバード教育大学院のプロジェクトゼロで学んだ「理解のための学習」などの理論をもとに、単なる知識だけで終わらないワークショップとなっております。

 

●AMBITIONER’S LABワークショップ

未来を創る力を身につけるために、ABLは全12回のワークショップを開発しています。
この場の狙いは、「人、組織、自然環境において希望と可能性に溢れた未来を実現するために、必要な力とは何だろう」ということを互いに学び合う場です。
参加メンバーには企業、NPO、学生など、様々な立場の人がいます。多様な視点、経験をもとに、共に実践しながら学ぶのがAMBITIONER’S LABです。
ワークショップのキーワードには、「願い、課題、パーソナルマスタリー、多様性、共感力、イノベーション、学習、メッセージ発信、問題解決、氷山モデル、知覚と判断、共有ビジョン、主体性、リーダーシップ、変革理論、価値観、倫理観、組織、個」などがあります。
ある回のワークショップでは、「真の自分を生きる力」を身につけるために、人の潜在的能力に着眼したワークショップを行います。例えば、『学習する組織』のパーソナルマスタリー(自己マスタリー)を探求し、理想(ありたい姿)と現実とのギャップを埋めるために何ができるのかなどを考えます。そのために必要となる、思考が停止している状況から自律的に思考すること、課題を分析し深掘りするだけでなく未来志向で考えること、効率を優先しすぎるのではなく本質は何なのかを考えること、知識学習にとどまるのではなく実践学習に向かうこと、責任問題にするのではなくリフレクション(内省)をして現状を改善し続けることなどの重要なマインドセットについても学びます。
単なる知識として学習するだけでなく、今の自分にとって何が必要なのか、何を行えばいいのかがわかる内容となっています。

 

●第一回目ワークショップ

第一回目のワークショップでは、テーマを「課題認識と願いの共有」としました。
個人・組織・社会あるいは地球の全体の在り様に対して、「どんな願いをもっているのか、どんな課題意識を持っているのか」を、それぞれの立場で考えました。
あるグループは、以下のアウトプットを出しました。
「社会・組織・家族の未来について考えました。突き詰めたところ、一人ひとりが受け入れられる、安心安全だと感じられる社会、組織、家庭を実現したいという願いが、チームメンバーで共有されました。そのため、個人がチャレンジしたいと思え、他人や周囲のことも考えられる前向きな思考になるためには、そもそも心無い批判のない環境や、再チャレンジ可能であるということが社会のベースとして必要なのではないか、という意見もあがりました。」
このような未来を実現するために、AMBITIONER’S LABで学び、社会において実践を続けます。

AMBITIONER’S LABhttp://ambitioners.jp/

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