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リーン・イン・東京のイベント

文部教育科学通信 2017.11.27掲載

11月12日にリーン・イン・東京が主催するスペシャルイベントにファシリテーターとして参加いたしました。

 

リーン・インとは

リーン・インとは、「勇気を持って一歩踏み出そう」という意味で、この言葉を世界に広めたのは、現在フェイスブックのCOOを勤めるシェリル・サンドバーグ氏です。2013年に出版された著書「リーン・イン」に、世界中の若者が賛同し、各地で、リーン・イン・コミュニティが生まれています。リーン・イン・東京も、その団体のひとつです。

 

アメリカの女性活躍の現実

サンドバーグ氏が出版を決意した背景には、アメリカでも女性活躍が進まないという現実があります。フォーチュン500企業のうち女性が最高経営責任者(CEO)の座に就いているのは23社のみで、役員クラスの役職に占める女性の割合は14%です。国会議員に占める女性の割合は18%です。

 

アメリカで女性活躍が進まない理由に、ガラスの天井などの外的要因もありますが、サンドバーグ氏は、その著書の中で、女性の社会進出が進まない理由に、女性自身が持つ心の壁があると指摘しました。「私達女性は、自信に欠けていたり、手を挙げなかったり、乗り出すべきときに身を引いたりと、大なり小なり自制して行動してしまっている」と、ご自身の体験も踏まえて語りました。そこで、女性が社会で活躍するためには、女性も勇気を持って、一歩踏み出そう(リーン・イン)というメッセージを発信しています。

 

理想の世界の実現に向けて

サンドバーク氏が女性の弱みについてオープンに語ってくれたことに、私は心より感謝しています。社会的に成功した女性は、これまで女性の弱みを口にすることはありませんでした。

女性が国や企業の半分の舵取りをし、男性が家庭の半分を代表する存在となる、真の平等が実現すれば、社会は人的資本と才能の全てを取り込むことができ、国家や企業全体としてのパフォーマンスが上がるというのが彼女の考えです。そのためには、社会のあり方も変わる必要があるが、女性自身も変わる必要があるというのが彼女の提案です。

 

興味深いのは、このような女性の心の壁の背景には、たとえば、「気が強い」という言葉で傷ついた経験などがあります。同じ発言をしても、男性であれば高く評価され、女性だと否定的に受け止められてしまう経験です。その結果、女性は、主張や要求をすることを控えてしまう傾向が強いというのです。そこで、彼女は、若いカップルが子育てを行う際に、女の子に、このような言葉がけをしないことも奨励しています。

 

国際男性デーのイベント

リーン・インの活動のファンである私にとって、そのイベントでのファシリテーションを行えることはとても幸せなことでした。11月19日の国際男性デーに合わせて行われたイベントには、蓮舫議員の夫であり、双子のお父さんでもある早稲田大学客員准教授の田村信之先生、サイボウズ株式会社人事マーネジャーとして100人100通りの働き方を推進し、家庭では子育に参画する青野誠さん、リーン・イン・東京の立ち上げから参画している20代の松本大地さん、みずほ銀行執行役員国際営業部長の有馬充美さん、kay me株式会社を起業した代表取締役の毛見純子さん、ユニリーバにお勤めで、リーン・イン・東京のメンバーである高尾美江さんの6名のパネリストの皆さんにご参加いただきました。

 

田村先生、青野さん、松本さんは、世代も背景も異なりますが、3人に共通していたのは、身近にいる女性のリーン・インを応援し、女性はこうあるべきであると決めつけるのではなく、一人の人間としての選択を尊重するという考えをお持ちだったことです。

 

有馬さん、毛見さん、高尾さんに共通なことは、自分らしさを大切に、一歩踏み出さないで後悔するよりも、行動することを選んでこられたことです。まさに、リーン・インのモデルです。

 

イベントには、90名近くの方々にお集まりいただき、パネルの後の会場でのディスカッションも盛り上がりました。参加者は、社会人と大学生が中心ですが、中には高校生の参加者もいらっしゃいました。ディスカッションの最後に、一人ひとりが、自分のリーンイン目標を設定し共有しました。このような活動を通して、一人ひとりの心の持ち方を変わり、社会が変わっていくのだと、実感することができました。

 

リーン・イン・東京を立ち上げてくれた鈴木玲奈さんとその活動をサポートしてくださっているパートナーのフェリックスさんにも心から感謝いたします。

 

 

 

 

 

 

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